Mac で Nreal Air を試した
Rentio で Nreal Ari をレンタルし、試してみました。
1日コワーキングスペースで利用してみたので、その感想を書きます。
自分が期待すること
自分がディスプレイの代替として AR グラスに求めることは次のとおりです。
- 複数画面を出力できること
- ディスプレイの解像度が大きいこと
- ディスプレイを縦回転できること
1はマルチモニタ環境の構築です。私はシングルモニタよりもマルチモニタ環境を好みます。自宅ではトリプルモニタで仕事をしているため、できれば3画面あるとベストです。Nreal Air は2022年9月のアップデートでMacで3画面まで対応してので今回試してみました。
2はディスプレイの大きさですね。より詳細には1画面あたりの情報量を多くしたいです。Macbook Air の画面は小さいと感じてしまうため、できれば24インチ相当の画面の大きさ、情報量がほしいです。
3はIDEの利用のためです。私は普段はモニタ2枚を縦に配置してエディタを開いているのでそれを実現させたいです。
使ってみた感想
結論としては、現時点では自分の期待することが実現できない + 長時間利用は合わない と感じ、実用は難しい印象です。しかしARでしっかり画面が映し出される点は非常に将来性を感じました。あと5年ほどの進化で十分に実用に耐える形になるのではないでしょうか。
メリットとデメリットをそれぞれまとめました。
良い点
- 画面は普通に見える
- AR なので周囲の状況が見える
- 目線を上がることができ首が楽
悪い点
- 大解像度にはならない
- 画面の回転はできない
- ライトシールドを着用すると画面のちらつきを感じる
- 長時間つけると鼻が痛くなる
画面は普通に見える
AR グラスを初めて体験しましたが、画面は普通に見えます。正直感動しました。ディスプレイの視認自体に問題はありません。モニタの代替として使用できます。
以前マイクロソフトの Hololens をつけたとことがありますが視認性の次元が違いました。Hololens は視界の上半分に心もとなく画面が表示される程度です。しかし Nreal は完全にディスプレイが表示されます (伝えるのが難しくすみません)。そもそも Hololens はMRデバイスであり、画面をスマホのように指で摘んで操作することができます。そのためディスプレイの点のみの比較は妥当ではないかもしれません。
AR なので周囲が見える
これはシンプルに便利です。少しスマホをいじったり、飲み物をとって飲むことができます。VRゴーグルにできない芸当であり、ここはARグラスにアドバンテージがあります。
目線を上げることができ首が楽
素晴らしい利点だと思います。Nreal Air では空中の好きな位置に画面を固定することができます。自然と正面を向いた状態で固定でき、首への負担はかなり軽減されます。
大解像度にはならない
ここは期待していたために少し残念でした。
解像度の選択肢は2つあります。
- 1440 × 900
- 2880 × 1800
1440 × 900 はMacbook Air の標準ディスプレイと同じ大きさです。こちらの解像度では1画面あたりの情報量は増えません。
2880 × 1800 の設定は使い物にならなりません。画面サイズに対する解像度が大きすぎます。文字等がとても小さくなり視認できないません。結果、実用に耐えません。
ただ、画面サイズ自体は大きく表示されるのでそれは良いと感じました。1画面あたりの情報量は変わりませんが、単純に大きいディスプレイで作業することが可能です。
この解像度に関してはソフトウェアのアップデートで対応できる部分と感じるため今後に期待です。
画面の回転はできない
ディスプレイの回転はできません。Mac のディスプレイ設定内に「画面を回転する」が表示されません。
こちらはソフトウェア側で対応可能なのかはわかりませんが、今後のアップデートに期待しようと思います。
ライトシールドを着用すると画面のちらつきを感じる
Nreal Air には野外など外部の光が強い環境向けにライトシールドというシェードが用意されています。
こちらをグラスのレンズ部分に装着することにより、外部の直射日光の影響を受けずにディスプレイを視認することが可能です。
しかし私の場合はライトシールドを着用すると画面のちらつきを感じました。うまく説明できないのですが、ピントが合っていないと・解像度が合っていないような感じになります。
長時間つけると鼻が痛くなる
実用する上で一番デメリットに感じた点になります。長時間使用すると鼻のあたりが痛くなります。
重さによる影響で痛くなっているとは感じません。Nreal Air は 79g と軽量です。一般的な眼鏡は 30g 程度です。50g ほど差がありますが、つけていて重さが気になったタイミングはありません。
鼻当ての形状や材質に起因しているように思います。こちらも将来的に楽になれば大変嬉しいです。
終わりに
AR グラス自体が初体験でしたが、空中にディスプレイが表示されていることには感動しました。しかもしっかりと視認できるので技術の進歩に感服です。
記事内にも書きましたが5年ほどでモニタを代替できるレベルになるのではないでしょうか。今後の進化が非常に楽しみです。